Excelによるインフルエンザ流行予測
気象とインフルエンザの流行との相関関係を長年調べた結果、日本では絶対湿度 (1立方メーターの空気中の水蒸気の量)が11g以下でインフルエンザが始まる ことがわかった。絶対湿度7g以下で流行が大きくなってよい。このことをもとに、 Excelを用い1画面の日本地図(略図)に流行予測に必要な条件を盛り込んだ 流行予測地図(週報)を作った。メモとして、流行情報の外、インフルエンザ ワクチンの接種勧奨、インフルエンザにかかったときの対応等も加えた。 気象情報は気象台の情報から、日平均気温と相対湿度が自動的に入力され、週の 平均絶対湿度が求められる。 日本の8地方、北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州・沖縄が札幌・仙台・ 東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇の週平均絶対湿度により色分けされる。 各地方の絶対湿度が17gを超えるとき青色、17g以下水色、11g以下黄色、 7g以下ピンク色に表示される。地方の都道府県の絶対湿度がその地方の絶対湿度の 色分けと違うとき、都道府県名の背景色が絶対湿度を表す色になる。 (注)2002-2009年シーズンまでは色分けは3色(11gを超えるとき青色、11g以下黄色、 7g以下ピンク色)だったが、2009-2010年シーズンより上記の4色とした。 インフルエンザウイルス、患者発生情報は国立感染症研究所感染症情報センターの IASR(Infectious Agents Surveillance Report )およびIDWR(Infectious Diseases Weekly Report Japan)から入手し、入力。 ウイルス検出 検出された週に都道府県名の右にウイルス記号(検出順)が 表示される。 検出の情報が無く流行が始まったときは?が表示される。 〇:A香港型 ●:Aソ連型 ☆:B型 ?:検出情報なし 流行の始まり 流行の始まりはIDWRの定点あたりの発生報告数が1.0以上に なったときとし、流行が始まると都道府県名が赤字になる。 流行の継続期間 単一型或いは複数型によるインフルエンザの流行の継続期間は 16週とした。流行が始まると、検出ウイルスの右に16が 表示され、週を追うごとに1ずつ引いて表示される。 開発当初流行の継続期間を14週としたが、2002年~2008年の 流行データを再分析したところ16週が適当と判断され、 2008-2009年シーズンより流行期間を16週に変更した。 流行の終わり 流行の終了は、IDWRの定点あたりの発生報告数が1.0未満に なったときとし、流行が終わると、都道府県名の赤字が黒字となる。 16週経っても終わらないとき、流行の継続期間の数字が赤字で1と 表示され、流行が終了するまで1ずつ加えて表示される。 考 案 者 庄司内科小児科医院 庄司 眞 プログラム作成・情報配信 宮城県地域医療情報センター 2009年7月17日
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